オリーブの顔には小さな穴があいていて、石井さんは季節ごとに夏ミカンなど果物を入れている。「お接待です」。四国はお遍路で有名だが、小豆島にも八十八カ所霊場があり、島遍路の巡礼者をもてなす文化があるという。「今でいうお・も・て・な・しですわ」
瀬戸内海の12の島と高松港(香川県)、宇野港(岡山県)周辺を舞台に、今春・夏・秋と3季にわたり開かれてきた「瀬戸内国際芸術祭」は、11月4日で閉幕する。アートを媒介に、島固有の文化資源や自然をアピールする地域活性プロジェクトだが、芸術祭は3年に1度。より継続的に島をもり立てていこうと独自テーマ「観光から関係へ」を掲げたのが、小豆島の南東部、醤の郷と坂手(さかて)港エリアだ。現代美術家で京都造形芸大教授の椿昇さん(60)がディレクターを務め、主に関西の若手建築家、デザイナー、アーティストが島に長期滞在。住民と交流を深めながら計画立案、作品制作などを進めてきた。