さらに地域の交流施設「馬木キャンプ」を見に行くと、キッチンにいる地元の女性たちが「どうぞお立ち寄りください」と、甘辛く煮た茄子(なす)や柿などで接待してくれた。開放的な空間は建築事務所、ドットアーキテクツ(大阪市)の向井達也さん(23)らが自力で施工し、たった300万円で作り上げたものだ。
向井さんと井上さんは、芸術祭終了後も島に残ることを決めている。「島ではたくさんのお父さん、お母さんに囲まれている感覚。だからやりたいことを思い切ってできる」と井上さん。「これからが勝負です」(黒沢綾子)
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小豆島 醤の郷+坂手港プロジェクト 旅人迎える「水の神」
神戸と小豆島を結ぶジャンボフェリーの運航が、16年ぶりに復活した坂手港。海からの旅人を出迎えるのは現代美術家、ヤノベケンジさんの立体作品「スター・アンガー」だ。太陽のごとく光り輝く球体の上に、水の神様である竜が鎮座し、叫びを上げる。視線を奧に移すと、釈迦を守護する「八大竜王」が住みつくという霊峰、洞雲山がそそり立つのが見える。