右が普通の懐石弁当、左がCKD患者用にアレンジした懐石弁当。さつま揚げやエビ天を果実に、梅干しをゴマなどにすることで、食塩8グラム→4グラム、タンパク質45グラム→28グラム、カリウム1200ミリグラム→1100ミリグラム、リン630ミリグラム→460ミリグラムと栄養素をそれぞれ減らしている【拡大】
川崎医科大付属病院栄養部の市川和子部長は「タンパク質の過剰摂取は腎臓の糸球体に負荷をかけ、取り過ぎの状態が長期間続くと腎臓の機能が低下する。また、カリウム摂取が多いと高カリウム血症のリスクが高まる。腎臓にダメージを与えないためには塩分だけでなく、他の栄養素も普段の食事でコントロールすることが大事」と指摘する。
低栄養のリスク
また、体内にリンがたまる「高リン血症」は生命予後が悪く、心血管疾患のリスクが高いほか、腎機能悪化の進行速度を速めることが報告されている。このため、腎臓専門医の間でリンの管理をどうするかは大きな課題となっている。ただ、同調査でリンが多く含まれる食材について聞いたところ、約3割が「知らない」と回答、高リン血症についても約半数が知らなかった。
東京大学医学部付属病院腎疾患総合医療学講座の花房規男特任准教授は「専門医以外は高リン血症への関心が高くないのが現状で、患者にもリン制限について伝わっていないようだ。生命予後の改善と末期腎不全への進行を予防するため、食事からのリン負荷を減らすようにしてほしい」。