信念の女性ジャーナリスト
一般の人々にとって氏のイメージは、節制された情熱を持ち、そして、まさに迷いのない信念を持ったジャーナリストとしての姿だろう。本書には、そのイメージの後ろにあって、これまでは見られなかった氏のプライバシーとジャーナリストとしての哲学の話が書かれており、非常に面白く、感心しながら読んだ。戦後の日本社会がどういう姿で、その時代を女性たちはどのように生き、その中で、「櫻井よしこ」というジャーナリストがどのように作られたのかがよく分かる。
私のように、日本や日本の現代史に関心を持つ外国人(韓国)の学徒にとってもこのような自伝は貴重だ。その時代の雰囲気や情緒が読める史料でもあるからだ。
氏は子供時代を過ごした大分の中津から長岡(新潟)、ハワイ、東京と舞台を変えながら、熾烈(しれつ)に「現実」を生きた。その中で現在のフリーランスになるまでの決断の瞬間、瞬間を淡々と語っている。