大手電力の各労働組合が19日、2014年春闘要求を経営側に一斉に申し入れた。原発再稼働が見通せず、厳しい経営環境が続く中、基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の要求は見送る一方で、4月の消費税増税で家計への圧迫が強まることを踏まえ、昨年の2倍超となる7社の労組が一時金(ボーナス)の支給を要求した。年俸制を導入している東京電力労働組合は、東日本大震災後に実施している組合員の年収2割カットの見直しを会社側に求めた。
昨春闘で一時金を要求したのは中部、北陸、沖縄の3社。今春闘では、昨年4月以降に料金値上げを実施している5社の労組のうち関西、北海道、東北、四国の各労組が具体額は示さなかったが、安定した生活が送れる水準の支給を求めた。ただ北海道は17日に料金再値上げの検討を表明したばかりで、経営側は難しい判断を迫られそうだ。九電労組は2年連続で見送った。
中部電は14日、14年度夏季は基準賃金1カ月程度の支給ですでに労組と妥結。4月からの電気料金の値上げに伴い人件費を削減するため、前年の約2カ月相当(平均77万円)から半減する。基準賃金の約5%削減も決まっている。