【江藤詩文の世界鉄道旅】バングラデシュ鉄道(4)走った、飛び乗った、落っこちた…危険な乗車の結末は (2/2ページ)

2014.3.29 18:00

息苦しいほど蒸し暑いぎゅうぎゅう詰めの車内でも、こんな笑顔をみせてくれる

息苦しいほど蒸し暑いぎゅうぎゅう詰めの車内でも、こんな笑顔をみせてくれる【拡大】

  • 徐行運転ですれ違う。無賃乗車で通学するのだろうか
  • 屋根に立ち乗りしたり、布を敷いて枕を置き本格的に寝ている人も
  • 車体の床は、身長171㎝のわたしの目の高さくらい。小柄な女性がよじ登るのはたいへんだ
  • こちらもあちらもカメラを向けて撮影し合う。バングラデシュでははっとするほど美しい少女によく出会った
  • 各駅列車が停車した小さな駅で車窓から撮影。これでも1日のうちでもっとも混雑していない時間帯だという

 けれども笑いごとではなかった。駅と駅のあいだで、車内アナウンスなどいっさいないまま列車が止まること約20分。再び動き出した車窓から、見てしまったのだ。線路脇ぎりぎりのがれきの上に、薄汚れた何枚もの布をかぶせられ、横たわる人の姿を。

「あぁ、事故だ」と、新聞を手にした中年男性。「あの人は、死んだのかもしれないし、気を失っただけかもしれない。いずれにしても、よくあることです」

 ここでは人の命の重さが軽すぎる。ぼろきれで覆われるのは、屋根の上で手を振っていた少年だったかもしれないし、もしかしたらわたし自身だったかもしれない。

 布をかけられた人を、スラムの住人たちは静かな目で見つめていた。

■取材協力:Bangladesh Tourism Board

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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