【江藤詩文の世界鉄道旅】バングラデシュ鉄道(5)買い食いは支え合い…列車のなかの“もの食う人びと” (1/2ページ)

2014.4.5 18:00

バングラデシュでは冬に食べられるという温かいお菓子「ババピタ」を売る少年

バングラデシュでは冬に食べられるという温かいお菓子「ババピタ」を売る少年【拡大】

  • 少年は黙々と野菜の皮をむく。大きな金だらいいっぱいに詰め込まれた野菜は、1時間ほどで売り切れた
  • 車外にも野菜売りがたくさん。列車が停車すると現れ、窓や乗車口から売り買いする
  • カレー風味が強いベビースターラーメンのようなスナックとピーナッツを混ぜた「チャナチュール」もよく見かける
  • 乗車したのは「デモ・トレイン」と呼ばれる中国製の列車。バングラデシュの車両のなかでは新しくてきれい

 乗り込んだローカル列車には、もの売りが入れ替わり立ち替わり現れた。乗客がすし詰め状態で立錐の余地もない急行列車に比べて、近郊を走る各駅停車は、混んでいるとはいえもの売りが動くスペースがあるからだ。もちろん彼らは無賃乗車。だが、とがめる人は誰もいない。

 次々と売れているのは、キュウリの仲間のウリ科の野菜やにんじんといった生野菜。暑い季節には気温が40度を超えることもあるのに、停電がたびたび起こるバングラデシュでは、列車でエアコンを使用しない。中国から払い下げられたという車両には扇風機がついているが、これも使わない。車体にはドアがなく、窓は全開だ。

 売り子の少年は、声がかかると皮むき器を使って手早く野菜の皮をむく。ウリ科の野菜らしい青くさいにおいが、車内いっぱいに立ちこめる。使い回しのペットボトルに入った薄茶色の水でさっと洗い、同じく古びたペットボトルに入った塩を振って乗客に手渡す。ひとつ5タカ。約7円。

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