1機で紀伊半島をカバーする「ドクターヘリ」 現状と今後の課題 (3/3ページ)

2014.4.14 07:50

医師が乗り込み、患者の搬送中にも治療を行う「ドクターヘリ」

医師が乗り込み、患者の搬送中にも治療を行う「ドクターヘリ」【拡大】

 6人乗りのヘリには操縦席に操縦士と整備士、後部に医師と看護師各1人が乗り、現場へ。医大には現在、13人のフライトドクターが常駐。出動要請が重複した場合には、21年に相互応援協定を締結した徳島県と大阪府のヘリがかけつけるという。

 課題は夜間飛行

 「和歌山のように道路環境が悪く、陸路搬送に時間がかかる地域にドクターヘリは必須」と話すのは、県立医大高度救命救急センターの加藤正哉センター長。「ドクターヘリのおかげで救命率が上がったという正式なデータはまだない」というものの、「ヘリがなければ助けられなかった」というケースは年に数回ある。

 また現在は、屋上ヘリポートに照明がないため、夕方以降の要請が受けられないのが現状。夜間や悪天候の場合は救急車など陸路で搬送するほかなく、夜間飛行が実現できるように整備が求められる。

 救急医療の一翼を担うドクターヘリ。今後も活躍に期待がかかる。

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