熱中症で病院に搬送されるケースは例年、5月ごろから出始める。5月はまだ体が暑さに慣れていないため、急激に気温が上がった日には注意が必要だ。
国立環境研究所(茨城県つくば市)のまとめによると、昨年5月に熱中症で病院に運ばれた人は、調査を実施した東京23区や大阪市など全国19の地域だけでも263人に上った。
熱中症の研究をしている同研究所の小野雅司さん(65)によると、5月は体が暑さに慣れていない時期で、汗をかきにくいため、熱を外に出すことが難しいという。
そこで、本格的な暑さが到来する前の対策として、ウオーキングなどの運動を1日30分程度続けることが有効としている。「暑さに慣らしながら汗をかきやすい体質をつくることで、熱中症にかかりにくくなる」という。
さらに、「運動後にタンパク質と炭水化物をとれば、より高い効果が得られるというデータが出ている」と話す。
そのほか、こまめな水分補給や室内の温度管理、外出の際には日傘などによる日よけや体を締めつけない涼しい服装でいることも重要だとしている。