「限界を作るのも破るのも自分」と話す演出家の中村龍史さん=東京都港区(野村成次撮影)【拡大】
「透析に入ったら、もう終わり」みたいに悲壮感を漂わせる人がいるけど、透析を一日のメーンイベントにしてはいけない。顔を洗うのと同じで、生活に必要なことだと思えばいい。今は血液透析に変えたけど、通院時間がもったいないから、1年前からは在宅で血液透析をしています。機器の操作を覚えるため、3カ月通院してトレーニングを受けました。透析時間は週5回、各3時間半です。ただ、透析中もパソコンを開いて仕事をしていますよ。集中力が落ちたらDVDを見る。ギターも弾きます。病気と闘っても仕方がないけど、工夫はできます。努力し過ぎて死んだ人はいないのだから、工夫することで自分が成長します。
病気とどう向き合うかというのは、人生をどう生きるかという問題です。人それぞれに人生のターニングポイントがありますが、僕の場合、中学2年でジャック・レモンの映画「グレートレース」を見たときです。ゲラゲラ笑って心の底から楽しんだ。役者ってスゴイな、と。振り付けでは、躍動感を出すためにステップを徹底的に鍛える。人の体は、ある程度までは誰でも動くんです。できないのは甘やかし。自分で自分の可能性に限界を作らず、限界を超えた自分を楽しもうよ。限界をつくるのも破るのも自分自身。そうじゃないと寂しいでしょ?