超過分を詳細に
間接費用の計算は以下の通りだ。
虐待死(心中を含む)によって死亡した児童に関し、生涯で得るはずだった所得(逸失利益)を計算。虐待後の自殺についても同様に計算した。
虐待を受けて成長すると自傷行為を行ったり、鬱病などを患ったりするリスクが、虐待を受けていない人よりも高いという調査がある。それら既存の研究結果を基に、「虐待がなければ不要だったはずの医療費」を超過医療費として推計した。
さらに自治体の協力を得て、生活保護受給者のうち過去に虐待(貧困を含む)を受けた経験のある人の割合を調べたところ、男性で21・1%、女性で25%と判明。また、虐待された子供は親への仕送り額が少なく、親が生活保護受給者の場合、より多くの生活保護費が必要となることも分かった。
このため児童虐待の結果生じた「余分な」生活保護コストは年間で約3千億円にのぼっていた。