日本橋高島屋(東京都中央区)は「一人一重」の販売を2年前に開始。年々種類を増やしている。担当者は「ライフスタイルの多様化で、元旦にそろうのは夫婦だけ、遅くまで勤務していた娘は昼まで寝ているという家庭もある。食べかけのお節ではなく、新しいものを食べさせたいと購入する親もいる」と話している。
■「単独世帯」増加、4分の1に
コンビニ各社や料理店が1人用お節を販売するのは、核家族化や非婚化などで1人暮らしの「単独世帯」が増えているためだ。厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成25年)によると、1世帯当たりの平均人数は昭和28年に5人だったが平成元年には3.1人、昨年は2.51人にまで減少した。「単独世帯」も増加傾向で、昨年6月現在で約1328万世帯。元年に20%だった全世帯に占める単独世帯割合は、25年に26.5%まで増えた。国立社会保障・人口問題研究所は、今後もこの傾向が続くと予測する。