だが42歳の時に突然腎臓がんを宣告されてしまう。手術後、何もかも嫌になって辞表を提出、2年かけて後継の人材を育てて44歳でリタイアした。
リタイア後、ニューヨーク時代の知人・真理夫人とともに移り住んだのは現役時代にゴルフやスキューバ・ダイビングで何度か訪れたハワイ島西部のコナだった。眼下に太平洋を見渡せるのが気に入って購入を決めた敷地には、家屋とともに2エーカー(約2500坪)の土地に約1300本のコーヒー畑がついていた。
試みに夫婦で栽培を始めて、のめり込んだ。1年目より2年目、丁寧に栽培して収穫すると、渋みや苦みのないブラックでもおいしく飲めるコーヒーができる。2010年、12年には2年連続で品評会で上位に入賞するほどになった。いまでは隣接する土地を買い増し5エーカー(約6100坪)のコーヒー農園主だ。
味の決め手は手摘み
コーヒーが消費者に届くまでには農園造成、品種選択、栽培、収穫、乾燥、精製、保管、輸送、焙煎、抽出など多くの過程を経る。一番重要なのが収穫だ。コーヒーの実は一度に全部熟すわけではない。