【江藤詩文の世界鉄道旅】マニラMRT(1)犬はだらけて人は背を向け…これでいいのか?フィリピンの地下鉄 (2/2ページ)

2015.5.10 18:00

隣接したショッピングセンターの窓から撮影。ここからなら撮り放題だ

隣接したショッピングセンターの窓から撮影。ここからなら撮り放題だ【拡大】

  • プラットフォームは大混雑。駅員が背を向けた瞬間がシャッターチャンス!
  • どう見てもずれている…。日本人の私にはとっても気になる表示
  • 寝ている警察犬のほか、通行人に頭をなでられてしっぽを振っている犬もいた

「そうですね。じゃあ撮ってもいいけれど、私が背中を向けているときなど、見ていないときに撮ってください」

「よかったわね」。女性は屈託のない笑顔を見せてくれたけれど……。

 駅に隣接したショッピングセンターでは、警察犬を連れた警官がパトロールしていた。規則により、彼が写真を撮ってもらうことはできないけれど、犬は撮影可能だから写真を撮って行けと言う。

 威厳のかけらも見せずに寝そべっていた黒ラブは、めんどくさげにパタパタと3度ほどしっぽを振ると、また目を閉じてしまった。「暑いからしょうがないですね」と警官は言う。

 ぷっ。おもしろくなってつい悪ノリし、「あの窓から列車を撮影できますが、写真を撮ったら、罰せられるのですか」と尋ねてみた。答えは「窓からなら撮影してもいいでしょう」。

 ええっ!? こんなにゆるくてだいじょうぶなのか。私の心配をよそに、警官は笑って手を振った。

 取材協力:フィリピン政府観光省

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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