日本側がイニシアティブを取って、海外でポップカルチャーを紹介し、売り込んでいくような展示会なりイベントの実施を求める声も挙がった。アニメ、ゲーム、マンガを表彰して展示する「文化庁メディア芸術祭」を毎年開催している国立新美術館の青木館長は、「幕張に見本市を作って発信し、ここからアジアや世界に持って行くようなものを作ってほしい」と話して、日本国内での展示会の充実、そして世界への発信強化を訴えた。
日本からもっと、世界に向けてアピールする必要性は、まさしく空の玄関口となる羽田空港の国際線ターミナルで繰り広げられた「HANEDA INTERNATIONAL ANIME MUSIC FESTIVAL」でも強く指摘された。3月28日と29日に行われたイベントで、世界各地でアニソンイベントを開催しているGOMA STUDIOが中心となって実施された。
期間中に同ターミナルを利用した人は、和風のステージでアニソンと呼ばれるアニメの主題歌などを歌う外国人や、コスプレ姿で商店街の江戸小路を歩く人たちを見ただろう。自身、ミュージシャンとして海外ツアーを続け、アニソンに対する手応えを感じていたGOMA STUDIO代表の長尾晃宏氏は、「海外を回りながら日本でも何かをしたいという思いが実現した」とフェスティバルの賑わいを喜んだ。