国民年金と厚生年金の加入履歴が毎年届く「ねんきん定期便」。日本年金機構の個人情報流出事件で、年金制度への信頼が揺らぐ中、20、30代の若い世代にとって「将来、自分はいくら受け取れるのか」は関心事だ。「ねんきん定期便」の見方を専門家に聞いた。(村島有紀)
毎年届く
東京都内の会社員、三上絵里花さん(35)=仮名=は今年3月の誕生月に、日本年金機構から「封書」の「ねんきん定期便」を受け取った。
同機構は、旧社会保険庁時代に年金の記録もれが多数発覚した「消えた年金問題」の反省から平成21年以降、国民年金と厚生年金などの加入者(被保険者)全員に「ねんきん定期便」を開始。毎年1回誕生月に、これまでの年金加入期間▽加入実績に応じた年金額▽保険料納付額▽最近の月別納付金額-が記された「はがき」を郵送している。また、35歳と45歳、59歳の誕生月には、過去の月別納付金額などがより詳しく記載された「封書」の「ねんきん定期便」を送っている。
しかし、一部には「ねんきん定期便」が届いていない人もいる。同機構広報室の担当者は「機構に届け出た住所と実際の住所が異なる場合が多い。国民年金の場合は、市区町村の窓口で住所変更の手続きを。厚生年金の場合は、会社から機構に届け出るので会社に確認を」と話す。