ペットと暮らす快適住宅 室内飼育主流、ニーズに合わせ設計 (3/3ページ)

2015.7.20 07:03

「ディア・ワン」の例。庭にペット用の足洗い場を設置。屋内とのつながりを持たせるため、「ロジア」という犬のための半戸外空間を作り、自由に出入りできるようにした(積水ハウス提供)

「ディア・ワン」の例。庭にペット用の足洗い場を設置。屋内とのつながりを持たせるため、「ロジア」という犬のための半戸外空間を作り、自由に出入りできるようにした(積水ハウス提供)【拡大】

  • 廣瀬慶二さんが手掛けたペット共生住宅。梁を利用したキャットウオークとキャットツリーは猫にも人にも楽しそう(「へぐりさんちは猫の家」より)

 また、ミサワホーム(東京都新宿区)では、ウェブサイト「犬と暮らす家」を21年に開設。同サイトへのアクセス数は、25年度に月平均約3500件だったが、26年度は同4300件に。「市場の関心の高さを物語っていると思います」(同社)という。

 設計事務所「ファウナ・プラス・デザイン」(神戸市)代表で建築家の廣瀬慶二さん(46)は、12年からペットとの共生住宅を研究、設計を手掛けている。

 これまでに手掛けたのは約100棟。昨年廣瀬さんが出版した「へぐりさんちは猫の家」(幻冬舎)では、家族3人と15匹の猫と5匹の犬が暮らす家を設計した様子がつづられている。壁全体を棚のように仕切った「猫の寝床」や、梁(はり)を利用した「キャットウオーク」などを配置。「猫のための空間」を生み出したことによって、柱で爪を研いだり壁にマーキングしたりするといった、人間に不都合な猫の行動を抑制できるようになったことも明らかにしている。

 廣瀬さんは「猫は室内で飼育することがモラルだといわれているが、人と猫が室内で共に快適に過ごす住宅が追いついていない。ぼくのやっていることが、猫と住む家のスタンダードになれば」と話している。

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