【江藤詩文の世界鉄道旅】スイス交通博物館(1)機関車のあだ名がワニ、ゾウ、タコって、いったいどんな… (2/2ページ)

2015.10.11 18:00

世界最長の鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル」を掘るために使われたシールドマシン。身長170cm級の日本とスイスの美女が背伸びしても、この大きさ!

世界最長の鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル」を掘るために使われたシールドマシン。身長170cm級の日本とスイスの美女が背伸びしても、この大きさ!【拡大】

  • ワニの口を彷彿させるボンネットが特徴の「クロコダイル」。1921年製のメーターゲージで、山岳地帯が多いスイスに適したパワフルな牽引力を誇る
  • 最後の大型蒸気機関車「エレファント」。1916年製で10組の車輪が付いている。上記の温度は350℃にもなったそうだ
  • ゴッタルド鉄道のために構築された、1881年製の蒸気機関車
  • リギ鉄道に使用された、1873年製の欧州初のラックレール式蒸気機関車。当時使われていた、ゴツい歯車のラックレールも展示されている

 館内には、歴史的に価値が高い20台ほどの車両が展示されていて、これらは不定期に入れ替わる。というのも、この博物館は寄付金によって運営されているが、スイス国鉄が展示車両のメンテナンスなどを行ったり、展示しきれない車両を保管するなど、全面的に協力しているのだ。

 ちなみに、前出の「ワニ」とは、「クロコダイル」の愛称で知られる電気機関車のこと。電化された初期の機関車で、1920年代から活躍してきた。ほかに最後のジェネレーションの蒸気機関車は「クロコダイル」、小さなバッテリー機関車は「オクトパス」と、まるで動物園さながら、聞くだけで楽しくなるようなニックネームがつけられている。

 ルツェルンっ子は小学校の課外学習などで、必ずここを訪れ、国が誇る交通システムについて学ぶ機会を得るそうだ。こういう環境で育ったからこそ、おしゃれ女子の選択肢が「カフェお茶」か「ショッピング」か「登山鉄道」になるのだな…。なんだかしみじみ納得した。

■取材協力:スイス政府観光局スイス インターナショナル エアラインズスイストラベルシステム

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。