今回の大回り乗車のハイライト「特別快速館山行き」は、15両編成でグリーン車は4号車と5号車、最後尾の4両が「増結1~4号車」となっていた。「増結1~4号車」は木更津駅で切り離され、増結部分の4両だけが館山まで行くのだという。
切り離しの瞬間を見届けようと、プラットフォームを小走りに急ぐと、やっぱり…。そこには先客があった。私だけでなく、多くの大人の鉄道ファンが苦手とする好敵手・鉄道少年だ。
そうそう、前にこのコラムで「大回りをする(ヒマな)大人はあまりいない」と書いたが、確かに大人はいなかったけれど、夏休みらしく少年たちはちらほら見かけた。
ホームの安全を指差し確認して、テキパキと切り離し作業を進める運転士の制服姿を、憧れのまなざしで見つめる少年たち。いまどきの子どもらしく、スマホやコンデジでムービーを撮ったりしている。
こんなふうに見つめられたら、きっと運転士たちも気恥ずかしくも嬉しかろう。なんだかうらやましくてたまらないが、彼らは少年たちに愛想のひとつも振りまきやしない。