【江藤詩文の世界鉄道旅】スイス交通博物館(2)鉄道は人類の叡智が集結したアート!? 止まらない鉄道愛 (1/2ページ)

2015.10.18 18:00

雪深い山国のスイスならではのロータリー除雪車。展示車両にさわれるのがまたいい

雪深い山国のスイスならではのロータリー除雪車。展示車両にさわれるのがまたいい【拡大】

  • スイス国鉄の車両「レッドアロー号」。向かい合うように私鉄の「ブルーアロー号」も展示されている
  • 屋外にも惜しげもなく見ごたえのある車両がいくつも展示されている
  • 自動車館では、時代別に車両を展示した「カーシアター」などがある
  • 鉄道館に匹敵するほど屋内外ともに展示が充実している航空・宇宙館
  • 訪れた日は、キャデラック愛好家たちによる“愛車自慢大会”が開催されていた

 鉄道ファンは世界中にいるけれど、特に“アツい愛情”を感じるのはなんといっても日本で、最近では台湾でも盛り上がりの兆しを見た。けれども日本に負けぬとも劣らない鉄道への深い思慕を感じさせるのが、ここスイスだ。ちなみにドイツもその思いはなみなみならぬものがあるけれど、日本人やスイス人の“盲目的な愛”とは、ちょっと違う気がする。以上すべて個人的な見解です。

 そんなことを感じたのは、まるで恋人の髪をなでるような手つきで、除雪車の顔をなでさすっているスイス人男性を見かけたからかもしれない。彼と除雪車ふたりきりの、ほとんど“フェティシズム”の世界。それにしても、たしかに見れば見るほど、その複雑な造形美に引き込まれてしまう…。

 「除雪車の登場で、たとえ雪が降る地方でも、通年で走行できる路線が増えたのですよ。いわば人類の知恵のかたまりであり、すごい実力を持ちながら美しいでしょう」。どうやら延々と続きそうな気配を察し、そうそうにおいとました。

 展示されている車両のひとつひとつに付けられた説明書きを読むと、スイス人と鉄道がいかに密接によりそって生きてきたか。その歴史が垣間見えるようだ。

鉄道開発にとって厳しい環境だからこそ発展した「王国」

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