鉄道馬車からはじまったスイスの鉄道は、険しい山々が連なった地形や積雪が多い気象から、さまざまな機能を追求して発達した。それが現在のいろいろとユニークなフォルムの車両へとつながっている。考えてみれば、スイスは地形的にも気候的にもけして恵まれているとはいえないのに、それを逆手にとって世界有数の鉄道システムを生み出し、いまや鉄道大国として“観光の名物”にしているわけだ。
そうそう、“交通博物館”というだけあって、鉄道館のほか自動車館、航空・宇宙館、船舶・ロープウェイ館、さらにプラネタリウムや新しいアトラクション「スイスチョコレート・アドベンチャー」まであって見どころが多い。
展示車両が入れ替わるころ、再訪するつもりだ。
■取材協力:スイス政府観光局/スイス インターナショナル エアラインズ/スイストラベルシステム
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら