【江藤詩文の世界鉄道旅】リヒテンシュタイン・シティトレイン(2)仕事中にナンパ…多言語使いのツアーガイドはチャラ男だった (1/2ページ)

2015.11.3 18:00

運転士のマンフレッド。トークだけじゃなくセルフィー(自撮り)もうまい

運転士のマンフレッド。トークだけじゃなくセルフィー(自撮り)もうまい【拡大】

  • まるでアミューズメントパークのようにかわいい建物が並ぶ
  • リヒテンシュタインのファドゥーツには切手博物館をはじめ美術館・博物館が多い
  • 乗車券販売窓口。混載車で個人客も乗車できる定時運行便のほか、貸し切り便が随時運行している
  • 5分ほど停車して慌ただしく出発。シーズンによって赤とブルーの2台が運行している

 「日本人ダイスキ。アイシテマース」

 日本では、とんと耳にすることのない台詞だが、外国を旅していると、ときどきこんな場面に遭遇する。目的は大きくふたつに分類できて、ひとつはチップや何かを買ってほしいといった金銭関係。もうひとつは、日本での身元引き受け人や日本のパスポートといった、日本とのコネクション関係。しかし、これらはいわばアジアや中東の風物詩であって、まさかスイス(の隣りのリヒテンシュタイン)で、こんなことを言う人がいるとは。

 振り返ると、運転士のマンフレッドがにこにこ笑っている。どうやら、唯一の東洋人客である私が、ロシアやドイツの団体客に気圧されて、ひとりでぽつんとしているのが目に留まったらしい。彼のまめさは見上げたもので、各国のことばを器用に使い分け、老若・美醜を問わず女性客ばかりに話しかけている。

 その後ろ姿に見覚えがあった。観光案内所を兼ねて乗車券を販売する窓口に、頭を突っ込むようにして窓口嬢をナンパしていたアイツだ。窓口嬢はまんざらでもなさそうで、私の前には数人が列をつくり、出発時間は刻々と迫るし、スイスの鉄道の時間の正確さを考えると、気が気じゃなかったのだ。

「4割くらい真面目」とチャラ男がのたまうワケ

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