【江藤詩文の世界鉄道旅】リヒテンシュタイン・シティトレイン(2)仕事中にナンパ…多言語使いのツアーガイドはチャラ男だった (2/2ページ)

2015.11.3 18:00

運転士のマンフレッド。トークだけじゃなくセルフィー(自撮り)もうまい

運転士のマンフレッド。トークだけじゃなくセルフィー(自撮り)もうまい【拡大】

  • まるでアミューズメントパークのようにかわいい建物が並ぶ
  • リヒテンシュタインのファドゥーツには切手博物館をはじめ美術館・博物館が多い
  • 乗車券販売窓口。混載車で個人客も乗車できる定時運行便のほか、貸し切り便が随時運行している
  • 5分ほど停車して慌ただしく出発。シーズンによって赤とブルーの2台が運行している

 ヨーロッパで、こんなにチャラい国民性を、私はひとつしか知らない。すると、それを読み取ったようにマンフレッドが言った。「何人に見える?」と。

 「違っていたら申し訳ないけど…イタリア系?」

 「あぁ、よくわかったね! ぼくの偉大なる“マンマ”はセクシーなイタリア美女。それなのに、なぜか実直なスイス人と結婚したから、ぼくは4割くらい真面目な性格なんだよ」

 芝居がかったマンフレッドの大声に、グループ客から冷やかしの声が上がる。ふうむ。鉄道の運転士にはなれなくても、ガイドとしてはどうやら大成功しているみたい。

 住宅街を抜け、サッカー競技場前を通り、出発地へ戻ると、中国人グループの貸し切り客が、大声で話しながら到着を待ちかねて群がっていた。

 「あぁ忙しい。えっと中国語は…」小さなノートを取り出しながら、せかせかと足早に移動するマンフレッド。どうやらつかみがうまくいったようで、中国人客は、いっせいに大きな笑い声をあげた。

■取材協力:スイス政府観光局スイス インターナショナル エアラインズスイストラベルシステム

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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