肥薩おれんじ鉄道は、熊本の八代と鹿児島の川内とを結ぶ第3セクターの鉄道会社。HSOR-100形のディーゼルカーを改装した「おれんじ食堂」は、2013年3月24日から運行を開始し、私が乗車したのは3シーズン目になる。ホテルのカフェ&ダイニングがコンセプトの「ダイニング・カー」と、リビングのようにくつろげる「リビング・カー」の2両編成で、車体デザインを手がけたのは、鉄道ファンなら誰でも知っているデザイナー・水戸岡鋭治さんだ。
運行は金曜・土曜・日曜・祝日限定で、出水発新八代行き上り1便「ブレックファスト」、新八代発川内行き下り2便「スペシャルランチ」、川内発新八代行き上り3便「クルージングディナー」のほか、金曜の夜のみ新八代発出水行き下り4便「おれんじバー」も走っている。年末から3月下旬ごろまでは、車両検査などの理由で、例年運休している。今回はもっともサービスが充実している「クルージングディナー」に乗った。2万1000円なり。
新幹線なら30分ほどで到着する距離を、たっぷり3時間44分もかけて旅するスロートレイン。定刻の午後2時52分。ディーゼルカーは大きくボディを揺らしながら川内駅を出発した。
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら