車体を撮って車両を撮って。あとは何を撮りたいのか。そう尋ねる国鉄職員に「あなた方の写真を撮ってもいいですか」。「ふぅむ、それはダメ。我々はおじさんだからイスラエル鉄道のイメージが悪くなる。ほら、あそこに女性車掌がいるから彼女を撮りなさい」。えっ。
ちなみに、乗っていたのは世界遺産の聖地「エルサレム」付近まで行く路線で、終点のエルサレム=マハ駅までの乗車時間は1時間ちょっと。通勤客で混雑していた近郊路線とは裏腹に、どの車両もガラガラだ。「ふぅむ、この路線の車両は古くて残念だ。写真を撮るなら新しい車両がマッチベターなのに」。
エルサレムといえば有名な観光地で、観光バスが何台も連なって押し掛けているのに電車だけが空いている。これは後でわかったことだが、エルサレム=マハ駅から観光地の旧市街までは車で15分ほどの距離があり、駅前から出発するバスの出発に接続していないため、じつは電車はかなり不便なのだ。