そこで同町は、平成26年度から食肉加工処理施設の建設など関連事業に総額6700万円を盛り込み、昨年3月末に鳥獣食肉処理加工施設を建設。これまでは駆除したシカやイノシシは山中に埋めて処分していたが、地元猟友会に所属する猟師と協力し、加工施設に搬入して「ジビエ」に加工、売り出す取り組みを始めた。
施設が稼働して1年余りになるが、昨年はシカ532頭とイノシシ57頭を処理し、約570万円を売り上げた。「初年度としては上々の滑り出しで将来に期待がもてる」と町産業建設課の細井孝哲さん(32)は話す。
中でも、「古座川の清流鹿」は町内の山中で地元の猟友会のメンバーが捕獲したシカ肉に名付けられたブランド。全国の飲食店でも絶賛される上質な肉質が特徴だ。
牛や豚と異なり、筋肉質で歯応えがあるシカ肉は、野生の獣特有の独特の臭みから敬遠されがちだった。