加工処理を担当する深海さんら職員4人のうち、3人は宿泊施設などで料理人としても働く。「料理人目線で肉を処理するので、骨の大きさや肉の厚さなど細かい注文を受けられる。そんなことができるのも、ここだけでは。頭の中にお皿に盛られるシカ肉をイメージしながらさばいています」と深海さん。
東京、大阪で食べられる古座川のシカ肉
町主導で、全国のジビエ料理のイベントや物産店などで積極的に販促活動も実施している。今年2月には、福岡市で開催された「第2回日本ジビエサミット」で古座川町のジビエの魅力をPRした。
こうした販促活動の効果もあり、古座川の清流鹿は3月末現在で、県内だけでなく、東京や大阪などの飲食店計24店舗に出荷している。「知名度も次第に広がってきていると思います」と細井さんも手応えを感じている。
東京都武蔵野市でスペイン料理のレストラン「ドス ガトス」を経営する高森敏明シェフ(55)は古座川の清流鹿をコース料理のメーンの肉料理などに使用する。