和歌山出身の高森さんは自信を持って提供できる故郷・和歌山の食材を探している際に知人に勧められたという。「今まで使っていたシカ肉はうま味があっても獣臭さがあった。古座川のシカ肉は食べる前に臭いを警戒していたお客さんも『本当にシカ肉ですか』と驚く。肉の純粋なうま味が口の中に広がるんです」と絶賛。「和歌山の食材に誇りが持てました」という。
町内でもシカ肉普及へ
同町では今年1~3月の各月1回、町内の小中学校4校でシカ肉を使用した「ジビエバーガー」を給食で提供した。町教委の担当者は「学校の周りにはイノシシやシカ除けのフェンスで囲まれた学校が多く、悪いイメージが定着していたが、新しい村の資源になった今、子供たちにも新しい村の魅力を知ってもらいたい」と話す。
細井さんは「ゆくゆくは全国の飲食店で『古座川の清流鹿』が食べられるくらいの人気商品に」と意気込む。村の“厄介者”だったシカが、今や村の新しい資源として期待されている。