アトリエ・オイのパトリック・レイモンさんにプロジェクトを引き受けるにあたり、重視したことは何かを聞いてみた。
「岐阜のメーカーの生産現場に足を運び、どのように伝統技術が使われているのかを実際に見て、そこで働いている人たちと会って話すことでした。対象を十分に理解し、学び、そして何らかの新しいヒントを得る。これが出発点です」
昨年5月、彼は岐阜に招聘され、翌月からプロジェクトがスタートした。日本にある技術や材質を日本のコンテクストで読み込み、そのコンテクストをヨーロッパ側にずらしていくわけである。それも売れるコンテクストに。
もちろんヨーロッパのローカルに協力してもらったからといって、必ず売れるわけではない。「Casa Gifu」で紹介された商品の販売がどうなるか、結果はこれからだ。ただこのような協力関係の大切さを正当に評価する人が増えるのは、繰り返すが、売れる確率を高めるために貢献してくれる。また迷走するクールジャパンに対して軌道修正のモデルとなるかもしれない。
各企業の営業努力と県の側面支援の両輪が上手く回転していくことを願っている。
(安西洋之)
【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)
上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。