
理容店の組合が開いたセミナーでは、「就活ヘア」のカット実演が披露された=奈良市【拡大】
プロジェクトは、そんな大月さんの思いを聞いた店の常連客の1人だった近畿大の中谷常二・経営学部教授が大月さんと立案。中谷教授の研究室の学生と組合の加盟店などが協力し、アンケート調査に着手した。
面接でもチェックは「仕事基準」
調査の結果、企業側が「好ましい」とした髪形は「刈り上げ」や「耳だし」「ショート」が過半数。大月さんの予想が数字で裏付けられた形だ。
結果を見たある関西の地銀の採用担当者は、「耳だしや刈り上げ、髪の色のレベルは5(焦げ茶色)が許容範囲というのは、業界のルールそのもの」と感心しきり。面接時には髪形に加え、「靴は磨かれているか」「ヒゲはきちんとそられているか」など、清潔感を重点的にチェックしているという。
奈良の老舗高級ホテル「奈良ホテル」の採用担当者も、「面接といっても、チェックするレベルは『仕事基準』。髪形だけでなく身だしなみはチェックする」。実は、髪形のチェック基準も「前髪は眉にかからず、横は耳にかからず、襟足は襟にかからない。もみあげは耳下より短く、ヘアカラーは禁止」など細部まで定めているという。「就活生の意識、意欲は見た目にまで表れると思う。自分をよく見せる努力はすべきでしょうね」と話した。