
「南海トラフ巨大地震は2038年ごろ」。元京大総長で京都造形芸術大の尾池和夫学長は、過去のサイクルからこう予測しているが…【拡大】
今後の研究の方向性について「将来の地震予想が大事」と主張する尾池さん。今後発生しうる地震は、活断層の活動状況などを観測すれば、ある程度予測がつくとみている。
「地震火山庁」創設を提案
尾池さんによると、阪神大震災以降、西日本は「地震の活動期に入っている」という。
関西では特に、和歌山の中央構造線付近や奈良盆地、大阪の上町台地に警戒が必要で、京都も「200年に1度は地震が起きているが、(行政の対応などは)のんびりしている」。
政府に長年提案しているのが、新たな「地震火山庁」の創設だ。
天気予報のように、テレビなどで定期的に地震予報を世間へ流すことで、地震に対する心構えを常にもってもらう効果に期待する。活断層上に官庁や公共施設の建設を禁じる法整備なども提案する。
そして住民には、こう呼びかける。生命を守るために「せめて寝室だけでも耐震化を」。