
まいまい京都のツアーで嵐山を案内する梅林秀行さん(先頭)と参加者たち。出演している「ブラタモリ」効果もあり、人気が上昇している=京都市右京区【拡大】
その後も、むき出しになった岩の前で立ち止まり、地形や断層が記載された地図を使いながら嵐山の風景を作る斜面の成り立ちの説明を行うなど、独特のツアーが続いた。
参加者たちは「まるで探検みたい」「こんなところ普通気がつかないな」などとそれぞれの感想を話し合いながら、真剣な表情で梅林さんの説明に耳を傾けていた。
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あえて普通の住宅街の「地形」に着目し、土地の歴史や由来を語る梅林さんの手法は印象的だ。
特にこだわるのが、街並みの中に残るちょっとした高低差。「街の坂道や凹凸は昔、そこが河川敷だったとか、豊臣秀吉が築いた『御土居(おどい)』の痕跡だったとか、『土地の記憶』として残されたものなんです」
そんな視点でまとめた著書「京都の凸凹を歩く」は今年5月の出版以来すでに約1万6千部に達した。
それにしても、なぜそこまで凸凹にこだわるのか。梅林さんは「それは僕自身が凸凹だらけの人生を歩んできたから、かな…」と打ち明ける。