追い詰められ適応障害に
そもそもなぜ4人は入社まもなく退職を決意したのか。反訴状によると、当時の新規採用は4人を含めて計10人。サロンのオープンに向けて研修が始まったが、指導員は1人しかいなかった。質問しても「すでにお伝えしました」と取り合ってもらえず、「実演を1回見て覚えろ」と言われるなど、不満の募る内容だった。
度重なる叱責もあった。その結果、研修初日にいきなり3人が退職し、翌日にさらに1人がサロンを後にした。
次々に脱落者が出る中、4人は研修を続けたが、何度も叱られるうちに不眠や頭痛、吐き気など体調が悪化。それでもマネジャーから「危機感が感じられない」「お客さまからクレームが来ても会社は責任を取りませんよ。自分で責任を取ってください」と厳しく責められ、辞めることを決めたのだという。
オープン直前の一斉退職に、会社側はよほど怒りが収まらなかったのか、入館証の返却が遅れた女性Dに対しては、電話で「警察に突き出す」「人間として終わってる」となじり、Dの父親の勤務先にも社長名でこんなメールを送った。
《貴殿の娘が当社を一方的に退職し、入館証を持ち逃げしております》
《これは窃盗罪、業務上横領となり、被害届を出すことも考えています。父親として至急ご対応いただきたく、よろしくお願いいたします》
その後、損害金の要求が始まり、4人は精神的に追い詰められた。会社側から「他の3人を扇動した主犯的立場」とされたAに至っては適応障害と診断された。4人は現在も体調不良に悩んでいるという。
今年5月の第1回口頭弁論でAはこう訴えた。
「嫌がらせが止まらず、逃げ道がどんどんふさがれた。恐怖で今も定職につけない。もう私のそばに近づかないで」
地裁で審理が続いている。