竹原さんによると、まず大切なのは、産前・産後は母親だけでなく、父親もメンタルヘルス不調のリスクが高くなるということを多くの人が認識すること。日本の男性は家事・育児の時間が欧米と比べて極端に短いとされるが、竹原さんは「日本の父親は遊んでいるわけではない。欧米の父親と比べると、通勤や仕事をしている時間が長く、すでに余暇の時間は短くなっているのです」と訴える。
竹原さんが提案するのは、父親が週2回でも定時に帰宅し、家族で食事をしたり夫婦で話したりする時間を持てるようにすること。このように生活や労働のあり方を見直すことは、父親がうつになるリスクを減らすだけでなく、母親の孤立を防ぎ、子供の発達にも有効だ。竹原さんは「国が女性の活躍を願い、夫が家事や育児を担うことを期待するなら、まず長時間労働を変えることが必要」と指摘している。