
「バレーメトロ」は空港行きの「スカイトレイン」と接続している【拡大】
そこへ白人男性の警官がふたりやって来た。見るからに観光客のアジア人(私)が黒人男性とのトラブルに遭ったと思ったらしい。そうでないことがわかると、彼らは「鉄道の写真はあまりたくさん撮らない方が望ましい。また、知らない人の前ではカメラはバッグにしまっておくのが望ましい」。私にそう注意して立ち去った。
スーパーマーケットでちょっと買い物をするつもりで出くわしたハプニング。滞在しているホテルのレセプショニスト、サンドラさんにさっそく報告する。ちょうど勤務時間が終わり、今から帰宅するという彼女。交通手段を訪ねると、なんとバレーメトロで帰ると言うではないか。メトロなんて自家用車を買えず、キャブにも乗れない人が使うものだって言ったのに……。するとサンドラさんはこう返した。「だって、私はキャブに乗れない貧乏な黒人だもの」
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら