だから同期に追い抜かれた… “残業するヤツが偉い”と信じた50代部長の末路 (1/6ページ)

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 これからのキャリア形成では、なにが正解なのか。マーケティング戦略アドバイザーの永井孝尚さんは「『あなたという商品』の価値を高める方法を考えるべき」といいます。永井さんの知人に「残業するヤツが偉い」が口癖のモーレツ社員がいました。現在は50歳。大企業の部長職ですが、社内の待遇には不満ばかり。しかも家庭不和で妻と娘は家から出て行ったといいます。どこで間違ったのか。教訓とあわせてお伝えしましょう--。

 「会社員なら社長を目指すのは当然」

 今どきのキャリアをどう考えたらいいのか。失敗から学ぶことはたくさんあります。50歳のある「モーレツ社員」の話を紹介しましょう。彼の名前は服部タカシ(仮名)。口癖は「会社員なら社長を目指すのは当然」。そして「残業するヤツが偉い」です。

 有名大学を卒業し、日本を代表する大企業B社に入社した彼は、入社式会場にいる1000名以上の同期を眺め、ニヤリと笑みを浮かべてこう思いました。

 (まずはこいつらの中で、トップに立つことだな)

 同期というライバルを前に、学生時代から体育会系で培ってきた闘争心に火がつきます。

 競争でトップに立つには、働く時間でライバルを圧倒すること。そう考えた服部は、とにかく会社で働きました。夜10時前の退社なんて、上昇志向とやる気がない社員がすることであり、午前さまは当たり前。週に1~2回は徹夜です。そんな翌日でも定時出社する。周りはちゃんと見ているものだし、睡眠時間を削ってでも頑張って仕事を続けること自体に意味がある。彼はそう考えていたのです。

 「団塊の世代」の上司も、彼と同様に「残業するヤツが偉いのは、当たり前だろ」という考えで、ウマも合いました。そんな服部への人事評価も高かったようです。30歳にして、同期の先陣を切って課長に昇進。部下も数人持つことになりました。部下にも当然ながら自分と同様の働き方を求めます。はるか遠くにある社長の椅子が、少しずつ見えてきました。当時はバブル崩壊のあと。峠が過ぎて景気は悪くなりつつあり、企業の淘汰が始まっていましたが、彼は「こんな時こそホンモノが輝き、生き残る」。そう思っていました。

同期は「上昇志向がない連中」のはずだった

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