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しかし市場が成熟した現代では、消費者はぜいたくでワガママになりました。ニーズが多様化したため、大きな塊のセグメントは粉々に粉砕されて、市場はまるでメッシュのように細分化された状態になっています。図の通り、市場は無数にあるといえるでしょう。このような細分化した市場では「顧客に特化する」ことが何よりも必要であり、競争する意味そのものが失われています。現代ではむしろ競争の兆候が現れたら、戦わずにできるだけ早くその場を立ち去り、戦わなくても済む新天地を探すことが大切です。
顧客ニーズに合わせ「競争を避けよう」というと、「そんなの軟弱だ。頑張って勝ち取った勝利にこそ意味がある」という人が必ず出てきます。まさに服部タカシのような「頑張ること」に価値を見いだしてきた人たちです。しかし下の世代から見れば今や「老害」と見られかねません。
「あなた」にもブルーオーシャンが必要
現代では「レッドオーシャン」で競争を続けても得られるものはまったくありません。求められているのは、「ライバルと戦わず、顧客に集中すること」です。成熟した社会だからこそ、細分化したニーズに特化し、戦いを避けるべきなのです。このような市場を、獲物を狙うサメがいない真っ青な海にたとえて「ブルーオーシャン」と呼びます。
レッドオーシャンで戦い続けるか、ブルーオーシャンで無競争を狙うかは、あなたの価値観次第でしょう。私の提案は言うまでもなく「ブルーオーシャンを狙うこと」です。