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仕事が終わり、帰宅する都内一等地の一軒家はいつも真っ暗です。家庭を顧みずに働き続けた結果、妻とは離婚調停中。愛する一人娘は妻が連れて行きました。娘は妻の味方なので、もう1年も会っていないといいます。さらに自身の身体も長年のムリがたたり、生活習慣病を抱えていました。会社でも腹を割って話ができる相手はほとんどいません。
最近、服部と話をする機会がありました。昔の面影はそのままですが、さすがに疲れは隠せません。最後に彼はポツリと自嘲的につぶやきました。「結局、競争に負けたヤツは、すべて失うんだよね…」
「頑張ること」が行動原理になってしまった
これは実際にいる知人をモデルにして一人の話にまとめたものですが、あなたの周りにもきっと同じようなかつての「モーレツ社員」がいると思います。
彼の何が問題だったのでしょうか? 結論を言えば、「社内の出世競争」だけを考えてきたことです。彼は新入社員時代から、団塊の世代である上司に自分が得意な「頑張ること」を高く評価されてきました。不幸なことに「頑張ること」が彼の基本的な行動原理になってしまったのです。