ながらスマホはNG 脳科学者が太鼓判 子供の心と頭を育てる「魔法の習慣」 (3/5ページ)

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 ●「母親と好きなパン屋さんの話をずっとしていた」(文科3類 女性)

 ●「いつも何気なくした聞いた質問を受け流さず答えてくれた」(理科2類 男性)

 ●「くだらない僕の空想の話を邪険に扱わず何度でも聞いてくれた」(理科1類 男性)

 ●「学校で何かあると、母親がいつも話を聞いてくれた。その話をよく覚えていてくれて、学校から帰ると『○○ちゃん、どうだった?』と気にかけてくれた」(教育学部 女性)

 ●「塾や学校で教わった新しい知識を披露すると、快く聞いてくれた」(理科1類 男性)

 ●「共通の趣味だったゲームの話をよくしたのを覚えています」(理学部 男性)

 ●「読書や料理、手芸が大好きだったのですが、私が黙々と作業している間は話しかけず、私が面白かった点やこだわった点について話すときは『すごいすごい』と聞いてくれました」(理科2類 女性)

 川島隆太教授は、説明する。

 「私の研究室が仙台市とともに行っている『学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト』では、仙台市に住む合計7万人の小中高生を2010年から7年にわたって追跡調査しています。この解析から明らかになったのは『家の人にしっかり話を聞いてもらった』と答えた子は、学力が上がるという真実。膨大なデータが強い因果関係を示しています。東大生の親も、子供の話をしっかり聞いてあげていた。これが学力を上げる秘密なんです」

 ▼親に話を聞いてもらえた子供は「心が安定して“大化け”する」

 なぜ、話を聞いてもらうと、子供の学力が上がるのか? そこには、心の安定が大きく影響を与えているという。川島教授は続ける。

 「『話をしっかり聞いてもらえている』と子供が答えたということは、家族のコミュニケーションがきちんと取れているということです。私は別の研究でコミュニケーションが親子関係にどんな変化をもたらすのかも調べました。すると、当然のことですが、親子の愛着関係が高まり、子供の精神状態が安定しました。こうした親子関係にある子供は、家で安心して暮らしているから、落ち着いて勉強に取り組めるのです」

親のやるべきことは明らか