ながらスマホはNG 脳科学者が太鼓判 子供の心と頭を育てる「魔法の習慣」 (4/5ページ)

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 親子の会話のエピソードを読むと、東大生の親は子供の話をしっかりと受け止めているのがわかる。子供の言うことと聞き流したりせず、おもしろがっているのが伝わってくる。これは多くの親が意外と実践できていないことかもしれない。

 まず、「家族のコミュニケーション」が心の安定をもたらす。これがスタートだ。

 仙台市のデータでは、「話をしっかり聞いてもらった」子供は、「学習意欲」が力強く育っていくことがわかっている。学習意欲は、やがて「自主的な学習習慣」につながり、「高い学力」として結実する。

 私たち編集部の東大生アンケートでも、「勉強をして、新しいことを知るのが嬉しかった」が84%、「知りたいことがあると、じっとしていられないタイプだった」が73%など、学習意欲に関する項目は軒並み高い割合を示した。だから、東大生は子供の頃に親から言われなくても自ら勉強していたのだ。

 今回の東大生アンケートでは、子供の頃、親が勉強を見たかどうかも聞いている。結果は、東大生の親の6割が勉強を見ていなかった。

 「親のやるべきことは明らかです。子供の話をしっかり聞いて、安心させてやること。それがもっとも大切な親の仕事なのです」(川島教授)

 勉強に関わるのではなく、日常のたわいない話・雑談に付き合う。たったそれだけのことが子供の心と頭を育てていたのだ。

 "ながらスマホ"の親はどのように子供の芽を摘んでいるか?

 編集担当者として川島教授の話を聞きながら、私はあることを思い出した。

 学生時代に、心理療法の一つとしてカウンセリングを習った時のことだ。カウンセリングでは、悩みを抱える話し手に対して聞き手はアドバイスをしたりせず、途中、相手の言ったことを繰り返したり、相槌を打ったりしながら、ただひたすら話を聞く。それで果たして悩みが解決するのだろうか? と感じられるのだが実践してみると確かにしっかり聞くことができると、話し手が話す内容はどんどん前向きになっていった。

スマホの登場が家族の時間を奪っている