子供に“直球”を投げる親の末路… 中学受験は「親の器の大きさ」がすべて (3/5ページ)

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 ネガティブワードは呪いのことばである。

 それを発すれば発しただけ、自分の心がマイナス要素に支配されていく。そして、呪いのことばに自分自身ががんじがらめにされる、つまり「呪縛」にとらわれてしまうことになる。

 昨年流行したテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系列)の最終回で、主人公・みくりの伯母である「百合ちゃん」が発したセリフは、そんな病にとりつかれた受験生へのメッセージとして秀逸だ。

 「わたしたちの周りにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのも、そのひとつ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい」

 子供に“呪い”をかけて追い込む親のタイプ

 入試まで残すところ、約4カ月。受験生であるわが子が、自信をすっかりなくしてしまった姿を見た親は、言い知れぬ不安やもどかしさを抱いてしまうものだ。だからこそ、ついこんなことばが口に出てしまうのだ。

 「夏にあれだけやったじゃない!? なんで、あなたは結果を出すことができないの!?」

 「そんなんじゃ志望校に合格できないでしょ!」

 それらのことばは呪縛にとらわれてしまった子を一層苦しめてしまう。わたしはこう思う。子供がスランプに陥ったときこそ、親の真価が問われる局面を迎えているのだ。

 追い詰められてしまった子の自信を取り戻させるにはどうすればよいか。迫りくる入試に対してどう気持ちを楽にさせていくか。親はじっくりと腰をすえて考え、対処しなくていけないのだ。

この事態に焦った親、さらに…