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「本心でなくてもいい」……。ここがポイントだ。子のスランプ克服のために時として親は「不安」を隠して演じなければならないのだ。極端なことを言えば、それができるかどうかが合否の分かれ目なのだ。
さて、この母親はわたしの意図をくみ、それをちゃんと演じてくれた。もともとやさしさにあふれた聡明な母親だったのだが、入試が近づいたことで精神的な余裕をなくしていただけだったのだ。子供を大切に思うがあまり、不安が膨張してしまったのだろう。
その後、この男の子はスランプを克服し、第1志望校に見事合格する。そのときの幸せそうな母子の様子は今でもわたしの心に残っている。
(中学受験専門塾スタジオキャンパス代表 矢野 耕平)(PRESIDENT Online)