今年のラインナップから言うと(いや、だいぶ前からかちあっていたが)、松田聖子と郷ひろみが昔、交際していたなどは若者にはバカウケ。冷え切った夫婦関係もホットにする一撃である。息子、娘がいない隙に「二人は破局したけど、俺たちはちゃんと続いているね」なんて言うと効果てきめん。夜の営みは盆と暮れだけという夫婦も燃え上がるはずだ。
他にも、松たか子について今さら「松本幸四郎の娘」「AO入試のはしり」なども使える芸能ネタ。これぞHMV(ひたすら昔話でヴィクトリー)だ。
◆若手のSHIHAMO、WANIMAを80年代のバンドと比較する奴
今年も若者に人気のロックバンドが出演する。10代女子から人気のガールズバンド・SHISHAMOと青春パンクバンド・WANIMAが初出場だ。いくら息子や娘が夢中になっていようとも、中年はここで何か言ってやらなくてはならない。
「プリプリに比べると華がない」「SHOW-YAと比べると演奏力で課題があり。このギタリストは速弾きができない」「ユニコーンに比べるとインパクトが薄い。このボーカルの子は奥田民生みたいにはブレークしないだろうな」「要するにこいつら、21世紀のジュンスカ(JUN SKY WALKER)じゃん。ブルハ(ブルーハーツ)ほどのカリスマ性はない」などなど、ひたすら昔のバンドと比較し、難癖をつけろ。
しかし、これでは単に言いがかりになってしまう。ここではツンデレが必要だ。ツンドラは避けなくてはならない。「まあ、今どきの子は、YouTubeみて練習しているし、マルチエフェクターも充実しているし。いきなり演奏力はあるよね」など、褒めつつ見下す、と。
「家族に嫌われたくない」という、チキン野郎のアナタ、まずは初出場のエレファントカシマシと比較することから始めよう。「エレカシが積み重ねてきた音の厚み」「紅白をライブハウスにしちゃうのが、奴らの凄み」などと語ると、まだ感じは悪くない。
さらに、若い頃に肉体労働のアルバイトをして買った布袋寅泰モデルのエレキギターなどの思い出を話すと破壊力バツグン。実際はFのコードを押さえられずに挫折したとしても、息子・娘には尊敬されること間違いなし。
◆X JAPANの20年前の解散について語りだす奴
そういえば、X JAPANが解散したのは20年前の12月だった。あの時は東京ドームライブの後、紅白出演だった。
80~90年代のX JAPANの思い出とともに語ると完璧。「昔はXだったんだぞ」といううんちくや、「(あとから入った)HEATHもSUGIZOも、X JAPANの看板に負けていないよね」など上から目線で評価するのだ。1998年に亡くなったhideの思い出話も挟むこと。