本家・丸の内は盛況も…あの「タニタ食堂」曲がり角? 塩分摂取の多い秋田は閉店へ (2/3ページ)

丸の内タニタ食堂では昼時には長蛇の列ができる。夜のメニューも紹介=昨年12月、東京都千代田区(藤沢志穂子撮影)
丸の内タニタ食堂では昼時には長蛇の列ができる。夜のメニューも紹介=昨年12月、東京都千代田区(藤沢志穂子撮影)【拡大】

  • メニューは「一汁二菜定食」「野菜カレーセット」「日替わり定食」の3種類=昨年12月28日、秋田市
  • 日替わり定食は「ひじきとかぼちゃの焼きコロッケ」で750円=昨年12月28日、秋田市
  • 「あきたタニタ食堂」の平日昼は閑散としている=昨年12月28日、秋田市
  • 丸の内タニタ食堂では11月末から夜のメニューも提供。タニタ風にヘルシーにした洋食のサンプル=昨年12月、東京都千代田区(藤沢志穂子撮影)

 開店当初こそ盛況で、県や秋田市とタイアップした健康セミナーなども随時、行っていた。だが、次第に客足が落ち、「想定の半分程度だった」と運営元のあきた食彩プロデュース(秋田市)の担当者は肩を落とす。「過疎化と高齢化、喫煙や飲酒、塩分摂取量の多さなど食生活で予防ができていない」(秋田大学医学部附属病院の羽渕友則院長)という県民性が背景にある。

 秋田県のホームページによると、「秋田県の食塩摂取量(成人)は全国平均より高い状況」という。そこで、国の目標の成人男性1日8グラム未満、成人女性同7グラム未満に対し、秋田県は平成34年までに県民の摂取量を同8グラムにする目標を立てている。

 「せっかく外食するなら、健康に気を使うより手の込んだものを食べたいと考える人が多いのかもしれない」と、あきたタニタ食堂の桐生晶子マネジャー。病院の食堂に移転する計画もあったが、条件面で折り合わなかったという。

 一方、本家の丸の内タニタ食堂では夜のディナー帯に、「健康志向はどこに?」と一瞬目を疑う洋食メニューと、ビールやワインなど酒の提供が始まっている。ポークカツレツ、ビーフシチュー、エビフライ、グラタンなどで価格帯は900円台から1200円台と、ランチ(750円と850円の2種類)よりやや高め。

 ただ、「カツは揚げずに焼く、脂身の少ない肉を使う、グラタンには豆乳を使うなど、ヘルシーなタニタらしさを生かす工夫をしています。通常こうした洋食なら1000-1200キロカロリーはあるでしょうが、タニタでは600-800キロカロリーに抑えています」と、タニタ広報課の冨増俊介さんは言う。

「『健康ライト層』に訴求したい」