だから「話したいことを話す人」は嫌われる 信頼される会話の仕方 (2/4ページ)

画像はイメージです(Getty Images)
画像はイメージです(Getty Images)【拡大】

 自分のものさしは正確無比で、絶対的なものでしょうか。絶対的なものさしをもつことは、誰にもできません。なぜなら、人はそれぞれ価値観が違い、当然、ものさしも異なるからです。

 たとえば、職場の先輩が後輩に「そのコート、レトロな感じで素敵ね」といったとしましょう。先輩は、感じたままをストレートに伝えています。ところが、後輩が“このコートもくたびれてきたから、新しいものに買い換えよう”と思っているところだったら、古びているので嫌みを言われたと勘違いするかもしれません。率直な褒め言葉に悪意を感じてしまうこともあるのですから、他人の言動をものさしではかることには無理があります。

 もちろん、ものさしはあっていいのです。それは自分の発言や行動の規範になるものですし、ものさしがあることによって、自分という人間がつくられます。ただし、他人をはかるときには、ものさしは“ゆるめ”に使う意識をもつといいでしょう。

 無神経なものの言い方が癇に障る相手も、別の人からは率直で裏表がないと評価されているかもしれません。だらしないふるまいが不愉快な相手を、別の人はおおらかと感じているかもしれません。そんなふうにして、ものさしは人それぞれ違うということに思いを巡らせてみるのです。それは人間関係にゆとりをもたらします。イライラ、カリカリすることが目に見えて少なくなるでしょう。

 ものさしは人それぞれ違うということを意識し、人間関係にゆとりが生まれたら、コミュニケーションを育む土壌ができたということです。「苦手」「嫌い」を克服することと、コミュニケーションがとれるということは別であり、コミュニケーションがとれて初めて、良好な人間関係が生まれます。それでは、どのようにすればコミュニケーションをとることができるようになるのでしょうか。

 結論から先に述べるなら、会話において「聞く」ことを大事にすることです。聞くことによって信頼感は生まれ、コミュニケーションは深まっていきます。

キャッチボールが難しくなっている一因にスマホ?