ジョブズ氏の「5分間」はだから凄い 心をつかむ“絶品スピーチ”の条件 (5/6ページ)

 本論に至る話の流れは、世の中で今起きている事や報道されている現象から、話し手が感じたこと、そして学んだことについて触れていく。書籍からヒント得たテーマを話す場合には、書籍の引用を説明するだけでは話し手に共感してもらえない。

 自分で見たことや経験したエピソードを通じて自分が学んだことを織り交ぜれば、説得力が増す。書籍の受け売りでなく、話し手が人生から学んだ貴重な気づきを、聴衆に伝えることに情熱をこめよう。

 3-3、クロージング(落ち・サゲ・締め)

 本論の説明が終われば、締めくくりに入る。落語なら最後の「落ち」にあたり、「なるほどその通りだ」と聞き手を納得させる大事な場面だ。スピーチのクロージングも同様に、これまで話してきた本論の要約を、印象に残る短い言葉で締めくくる。話の内容を聞き手の心に刻むだけでなく、人々の行動を促すように、勇気がわき、元気が出る決め台詞をここで使いたい。

 「歴史をつくる主役、それは今日ここにいらっしゃる、みなさんなのです」

 「ご一緒に時代をつくっていこうじゃありませんか」

 「さらに飛躍するには、みなさんの力が必要です。どうか力を貸してください」

 「新たな家族が今日生まれ、歴史が刻まれていくことになります」

 「過去を変えることはできませんが、未来はつくることができます」

 「躊躇する必要はありません。今日から第一歩を踏み出せばいいのです」

 「新しい時代の幕が開きました。一緒に、新たな歴史に名を刻みましょう」

 こうした決め台詞でスピーチを締めくくれば、聞き手にあなたの想いが伝わる。

 さて、構成も重要だが、もう一つ重要になってくるのが、スピーチの全体時間だ。

スティーブ・ジョブズは5分にすべて注入