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ポイント3:強い“覚悟”を社員に示すことができない
前述のように、私は経営計画書に社員の運転マナーの向上まで織り込んでいます。
しかしながら経営計画書は、あくまで社長の姿勢を示すものであり、社員の姿勢を示したものではありません。
社長として自分が「こうする」「ああする」と書くべきであって、あまり社員に「ああしろ」「こうしろ」と書いてはいけません。ついでに言えば、「こうしたい」「ああしたい」という社長の願望を書くものでもありません。
会社の中で責任を取れるのは、社長ひとりです。だから経営計画書には、社長の決意と責任の所在を記す必要があります。
ちなみに、わが社の経営計画書には、「経営計画発表にあたって」と題した一文が掲載されています。これは経営計画書の中で、私がもっとも時間をかけて作成している項目です。その最後に、「無理を承知で、みなさんに協力をお願いします」と書いているのは、社員に仕事や責任を無理強いするためではありません。
「社員の誰よりも、社長自身が無理を承知で頑張る」という私の姿勢、覚悟を表すためです。
わが社の社員が結婚し、子どもが産まれたとします。
子どもは、ずっと赤ん坊のままでいるわけではなく、成長します。
子どもが成長すると、養育費がかかる。お金がかかるのに給与がいつまでも変わらなければ、安心して子どもを育てることができません。
社員の生活を守るためには、社員の給与を上げなければならない。そして、社員の給与を上げるためには、なんとしてでも売り上げを上げ、利益を出し続ける必要があります。
つまり、「無理を承知で」というのは、社員と、社員の家族を幸せにするために、「私は、社員の給与を上げるために頑張る」「社長が先頭に立って、汗をかいて働く」という社長の覚悟です。