【高論卓説】裁量労働制は不要か 迫るAI時代、生き抜く鍵は… (1/3ページ)

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 今国会の目玉ともいうべき「働き方改革」。与党が満を持して提出しようとした法案で「裁量労働制」の対象拡大や「高度プロフェッショナル制度」が野党のやり玉に挙げられ、「裁量労働制」は法案からは全面削除された。

 「裁量労働制」とは、実際に働いた時間とは関係なく、企業と社員との間で結んだ労使協約で定めた時間を働いたものと見なし、その分の賃金が支払われる制度(見なし時間制度)だ。つまり好きな時間に出勤し、好きな時間に退社する。臨機応変に対応しなければならない仕事や時間に縛られず新しいものを作り出すような仕事にこうした制度が利用されている。

 実際にこれまでもシステムコンサルタント、記者・編集者・ディレクター、デザイナー、証券アナリストなど19の「専門業務」と経営企画、人事、総務、広報、営業などで調査や企画を担当する「経営企画」という2つ業務の中で裁量労働制が行われてきた。

 これを「開発提案業務」や「PDCA業務(生産管理や品質管理などの管理業務)」といった「課題解決」の業務にまでその適応を拡大するというのが今回の法案だった。

AIの台頭で企業の在り方が大きく変化