【高論卓説】裁量労働制は不要か 迫るAI時代、生き抜く鍵は… (2/3ページ)

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 ところが、安倍晋三首相が国会答弁で「裁量労働制は一般労働者より労働時間が短い」という趣旨の答弁をしたことでそのデータの信憑(しんぴょう)性が問題になり、そこから労働者には実質的な裁量権がないから「裁量労働制」を導入すると長時間労働の温床になり、過労死を引き起こす原因にもなりかねないという議論に発展してしまった。

 しかし裁量労働制というのは、工場労働のように一定の時間働けば成果が出る仕事に適用されているわけではないから、それが時短につながるという発想自体ナンセンスだし、逆に長時間労働の強制につながるという批判もしかりだ。

 日本の産業界は今、大きな転換点を迎えている。日本は高度経済成長の中で、全国から都心に大量に物を作るための労働力を集め、画一的に働く仕組みを作り上げてきた。それが世界でトップクラスの産業生産力を生み出していった。しかしその代償として社員は企業の歯車としてひたすら働くことを求められている。そこから「長時間労働は悪」だという議論につながってしまうのかもしれない。

 しかし人工知能(AI)の台頭で企業の在り方は大きく変わろうとしている。画一化できるような定型的な仕事はどんどんAIに取って代わられている。既に金融、流通、メーカーなどありとあらゆる産業でAIの導入が始まっている。

新しい時代に挑戦する「働き方改革」を