ではどんな自覚症状や状態だとオーラルフレイルの可能性があるのか。飯島教授らが8項目でチェックできるようにした。マス目の得点の合計が4点以上だとオーラルフレイルの危険性が高い。
しかし、オーラルフレイルの可能性があるからといって落ち込むことはない。「口の健康に意識を向け、舌や口の筋力のトレーニングを早めに始めるなどすれば、機能低下を食い止めたり、回復したりすることもできる」と飯島教授。
◆早口発声で回復も
最近、オーラルフレイル対策の場として注目されるのが、口腔機能を専門とする歯科だ。神奈川県歯科医師会は県や飯島教授らと連携し、事前調査でオーラルフレイルと判明した65歳以上の男女200人を対象に昨年10月から、口や舌の筋肉のトレーニングを日課にする「オーラルフレイル改善プログラム」を始め、どれくらい口の機能回復に効果があるのか集計中だ。
例えば、「マカト」「マキト」などと3つの無意味な音を連続で早口発声する訓練は、衰えると食べこぼしにつながる「口輪筋」などを鍛える。朝と夜、1日2回、5分間ガムをかむ咀嚼(そしゃく)の訓練もある。こうしたトレーニングを昨年10月から続ける、川崎市中原区の星行男さん(78)は、トレーニング開始前と比べ、嚥下(えんげ)機能の検査結果が2倍以上改善。「以前は喉にひっかかった薬が飲みやすくなり、肉をかむのが楽になったし、散歩に出かける気力も出てきた。できる限りトレーニングを続けたい」と話す。星さんがかかりつけの「さとう歯科医院」の院長で、県歯科医師会の佐藤哲郎理事は「口の働きが良くなったという実感から食も進み、活動的になられたようです」と見守る。